2012年2月14日
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平成24年2月14日 日本公認会計士協会
監査・保証実務委員会報告第81号
「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正
日本公認会計士協会より、平成23年度税制改正に対応するための取扱いを追加する標記の改正が公表されました。
本改正では、新規取得資産(平成24年4月1日以後取得)について改正法人税法による200%定率法を採用するときに、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更に該当する場合が示されており、また、既存資産の減価償却方法を変更する場合の取扱いも示されています。
本改正は平成24年4月1日以後開始事業年度に係る監査から適用するものと
されています。
監査・保証実務委員会報告第81号
「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正
日本公認会計士協会より、平成23年度税制改正に対応するための取扱いを追加する標記の改正が公表されました。
本改正では、新規取得資産(平成24年4月1日以後取得)について改正法人税法による200%定率法を採用するときに、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更に該当する場合が示されており、また、既存資産の減価償却方法を変更する場合の取扱いも示されています。
本改正は平成24年4月1日以後開始事業年度に係る監査から適用するものと
されています。
主な内容
平成23年度税制改正において、減価償却方法が見直され、平成24年4月1日以後取得する減価償却資産の定率法の償却率が200%に変更された。
また、現行の償却率による定率法を採用している場合について、平成24年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることにより、その償却率を改正後の償却率(250%→200%)に変更することができるものとされた。
平成23年度税制改正後であっても、会計上は従来の減価償却方法をを引き続き採用することが容認されている。
平成23年度税制改正後に選択しうる減価償却方法は下記のとおり。
また、現行の償却率による定率法を採用している場合について、平成24年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることにより、その償却率を改正後の償却率(250%→200%)に変更することができるものとされた。
平成23年度税制改正後であっても、会計上は従来の減価償却方法をを引き続き採用することが容認されている。
平成23年度税制改正後に選択しうる減価償却方法は下記のとおり。
区分 | 従来の方法 | 今後採用する方法 | |||
定率法 (250%定率法) |
定率法 (200%定率法) |
旧定率法 (残価10%) |
定額法 | ||
新規取得資産 | – | (A) | (B) | (C) | (D) |
既存資産 | (a) 定率法 (250%定率法) |
(E)継続 | (F)※ | (G) | (H) |
(b) 旧定率法 (残価10%) |
(I) | (J) | (K)継続 | (L) | |
(c)定額法 | (M) | (N) | (O) | (P)継続 |
(F)は、平成24年4月1日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出をすることにより、その償却率を改正後の償却率に変更する場合。
1.新規取得資産の取扱い
従来、法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却費として処理している企業において、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に旧定率法、かつ平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産に250%定率法を採用していたときに、新規取得資産(平成24年4月1日以後取得)に200%定率法(B)を採用する場合には、同一種類で同一用途の資産について類似の減価償却方法を採用するものと認められるため、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更として取り扱う。
このため、たとえば、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に250%定率法を適用している場合に、新規取得資産について200%定率法を採用することは、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更とならないことに留意しなければならない。
※経過措置により、従来、法人税法に規定する普通償却限度額を正規の減価償却費として処理している3月31日決算以外の企業が、平成24年4月1日以後、当該事業年度終了の日までの期間内に取得した減価償却資産を現行の250%定率法により償却し、翌事業年度に取得資産から200%定率法を適用する場合には、翌事業年度における、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更が行われる取り扱いとなる。
新規取得資産について、各企業の事業活動、資産の使用状況等を勘案して従来の方法を継続した場合(A、C、D)には、会計方針の変更には当たらない。
2.既存資産についての取扱い
既存資産について減価償却方法を変更する場合には、会計上、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更とは認められず、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱う。法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当しないことに留意する必要がある。
既存資産の減価償却方法を変更する場合は、監査上次のように取り扱う。
従来の方法 | 今後採用する方法 | 監査上の取扱い |
(a) | (F)(G)(H) | 減価償却方法の変更であり、 会計方針の変更として取り扱うが、 変更理由の合理性(変更の適時性等) に留意が必要である。 |
(b) | (I)(J)(L) | |
(c) | (M)(N)(O) |
3.適用時期等
平成24年4月1日以後開始する事業年度に係る監査から適用する。
システムの変更に時間を要するなどの合理的な特殊事情により、四半期会計期間および中間会計期間において200%定率法による減価償却計算を開始することが困難な場合には、、いわゆる四半期・中間・年度の首尾一貫性が保持されていないため、過年度遡及会計基準、過年度遡及適用指針、企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第14号「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」及び監査・保証実務委員会実務指針第84号「中間財務諸表と年度財務諸表との会計処理の首尾一貫性」に従い必要な会計処理及び注記を行う。
本改正に関しては、平成23年2月に公開草案として公表されていたものの、税制改正法案が成立しなかったため、関連する個所を除いて平成23年4月に改正が行われていたものであり、公開草案の手続を経ずに改正が行われた。
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